恋人の浮気による精神的苦痛と慰謝料について
彼氏・彼女が浮気して精神的苦痛を受けたから慰謝料を請求したいという人もいるようです。はたして、このように恋人が浮気をしたというときも慰謝料は請求できるのでしょうか。
結論としては、慰謝料請求には結婚している必要があります。原則として、結婚していなければパートナーの浮気があったとしても慰謝料は請求することができないのです。
結婚していなくてもパートナーの浮気があれば精神的苦痛を受けるのに、慰謝料が認められないというのは何故なのでしょうか。
不法行為を定める民法第709条にはこう記述があります。
故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
とのことです。つまり、夫婦にはお互いに他人と性交渉しないことを求める権利（貞操権という）があり、婚姻関係は法律で保護されているのです。
一方、結婚していない、ただの交際関係であれば、このような権利も利益も日本の現在の法律は認めていないようです。そのため、結婚していない場合には、どんなに精神的苦痛を受けたとしても、パートナーの浮気について慰謝料請求が認められないというわけです。もっとも、結婚していない場合であったとしても、内縁関係や婚姻関係があれば、これは法律が保護していることから、慰謝料請求が認められることがあります。
恋人の浮気による慰謝料の相場
恋人の浮気が発覚したとき、請求できる慰謝料の相場としては、数十万円～200万円程度が相場と一般的には考えられています。
これが、恋人関係ではなくて婚姻関係にある夫婦の場合は少し値段が上がって数十万円～300万円くらいが相場になっています。恋人関係では、請求額がかなり下がってしまうことは覚悟すべきです。
また、請求できる慰謝料の額にも大きな幅があり、実際の状況や証拠の有無などによって請求できる慰謝料の額が大幅に変わってきます。
一般的により高い慰謝料を請求できるのは、
- 相手が浮気をしている期間が長い
- 浮気された側が浮気が原因で精神的・肉体的に傷ついて通院などの療養生活をしている
- 恋人との間ですでに妊娠していたり子どもがいたりする
- 浮気が原因で婚約破棄になってしまった
- 内縁関係が解消されたである
- 結婚するためにすでに居住物件を購入していた
- 式場や新婚旅行などの手配をしていた
などの事情がある場合は、請求できる慰謝料がかなり高くなる傾向があるようです。
カップルになった恋人の浮気の慰謝料は請求できる？
恋人ではなく、結婚している夫婦について見てみますと、貞操義務といって、配偶者以外の人と不貞行為はしてはいけないという義務があります。
不貞行為というのは、言い換えれば性行為だと考えて、ほぼ問題ありません。一方で、結婚していない恋人同士の間では、どうでしょうか。
婚姻関係にない状態である恋人同士には、この貞操義務がないのです。なぜなら、恋愛は自由な個人の意志で行うことができるからです。
その結果、恋人の浮気を理由に慰謝料の請求をすることはできないということになってしまうのです。
ただ、全く無理というわけではありませんから、簡単にあきらめると損です。それは、浮気をした相手が反省して「慰謝料を払う」と同意するのであれば、請求することは問題ありませんし可能なのです。
請求できない場合というのは、浮気をした方が払うつもりはないと拒否してきたときに裁判で争ったとしても請求は一切認められない、という意味として解釈してほぼ間違いはありません。相手がどう出てくるのか見極めなくてはなりません。
【浮気 慰謝料 恋人】まとめ
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